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2017-09

カーペット・クロール - 2017.08.12 Sat

S-カーペット・クロール
思想にとらわれた者たちが、抜け出す道を探っている音が充満する。
脱出したい気持ちに人も化け物も違いはない。
歌いながら黄色い絨毯の道を這ってゆく。「脱出するためには中に入らねば」
月の周期よりも早くにここを超えなくてはならない。
何かがむくむくと首を立ち上げるのを感じるが
絨毯を這う者たちは器用にソレらを避けてゆく。
彼らの放出する分泌液は白くて生温かくて、
ある種の臭気を発している。
入り口をくぐると前のことが思い出せなくなった。
フィルコはここにいるのか、どこか別の世界に行ってしまったのか。
怪物になってしまったのか。
そもそもフィルコとは誰なのか。
そして狸たちは旧街道に横たわる。

夢幻の鉱山町 - 2017.08.02 Wed

s-夢幻の鉱山町
「われら、深みに住むものは、
 見つけ出してくれる、
 正直な拾い主をさがしています」
                        「エンデのメモ箱」より

眠りから深い目覚めへと沈んでいく夢幻の鉱山町。
家々からはビール色の煙が流れ、町の人々が自分の大切な本を穴へと投げ入れてゆく。
目玉の気球は無味乾燥な夢から目覚めてゆく。豊かな目覚めへ向かって深くゆっくりと。
マン・ドリルを持って失われる意識へ向かって下りてゆくのは何か。
僕はフィルコだ。迷う者だ。
そして狸たちは旧街道に横たわる。


日没する国の人々 - 2017.07.24 Mon

s-日没する国の人々
Wir, die Bewohner der Tiefe,
ersuchen den ehrlichen Finder,
uns zu erfinden.

「Michael Endes Zettelkasten」

ナディア - 2017.07.19 Wed

s-ナディア
 エレビア王妃。
 アジア系。両親はエレビア人ではないが、本人はエレビア生まれ。

 ハンスとは大学関係で知り合ったようで、文学仲間だったようである。当時ハンスはしばしば悪い妖精から狙われていたようだが、どうも頼りないので、彼女のほうが積極的に戦っていたようである。
 ナディアは「禁断の書物」については知っていた。これを書いたのは彼女の属する民族と遠いつながりのある者だったからだ。ただしそれがどうハンスとつながるのかについてどこまで詳しい事情を知っていたかはわからない。そもそもハンスがエレビアの王族であることも知らなかったようである。

 ハンスと違ってしっかりした常識人。

↓ニティン・ソーニーの「ナディア」

まぬけのハンス - 2017.07.13 Thu

s-まぬけのハンス
 ハンス=リッパハ・トゥーランガリラ・アーベント。現エレビア国王で、ノヴァラ姫の父。
 前国王の腹違いの弟。前国王の母親が男と一緒になってエレビア王室を混乱させた時期(この男は「破壊と平等の妖精」とつながっていたようである)、前・前国王とドイツ系侍女との間に生まれた。こうした事情のため、ハンスは白人の血が濃い。
 王室が混乱していた時期ではあったが、養育者の夫婦によって愛情豊かな環境で育てられたせいか、ハンスは静かで落ち着いた性格に育った。

 大の読書好きで、特に文学や神秘主義に関する本を山のように読み漁っていた。王族であるゆえに王立図書館の一般には公開されていない場所も閲覧できるため、入り浸って怪しげな神秘学的著作を色々と読んでいたが、そこを「破壊と平等の妖精」に目をつけられてしまい、狙われた。
 シュペッターは自分の女としての肉体を使ってハンスを籠絡しようとしたようだが失敗したため、ハンスを憎むようになった。これはヴェーベルン寺院に住んでいた「北の妖精」があらかじめハンスに忠告していたからだった。ノヴァラ姫誕生の宴で「破壊と平等の妖精」が殴りこんでくるであろうことを予知して天章院に知らせたのもこの「北の妖精」である。

 もともとハンスは王位継承者ではなかったし、本人も継ぎたくなかったらしいが(本人は文学者か学者になりたかったようである)、ハンスの兄が死亡したためしかたなく王位を継いだ。歴代エレビア国王には武術に優れた英雄が多いが、ハンスは例外的に武術がまったく駄目である(ノヴァラは武術の訓練を受けている)。
 頭はいいのだが、夢想家肌で、いつもボンヤリ考え事をしていて身の回りのことにうとく、頭で生きているような感じなので、人から「まぬけのハンス」と呼ばれていた。

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