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2017-10

ハルの祭典 - 2014.05.30 Fri

s-ハルの祭典
 調査隊がこのオノノコの町の石化現象のことを植物学者に話すと、次のような答えが返ってきた。
 「そうですか。もしかすると衝突のショックで船内のカビのサンプルが漏れ出たのかもしれません。あのカビはこの星では繁殖できませんし、十月十日もすれば浄化されますから、心配はいりません。
 カビが消えたにもかかわらず人々が石になったままなのは、単に砂糖の力が強すぎ、塩分が少ないからです。海が甘いままなので、塩の持つ清めの作用がうまく働かないのです。砂糖による甘えた甘い幻想の力が強すぎると、塩の清めの作用が抑制されますから。

 塩の力と砂糖の力との均衡をとるには、イネ科の植物を植えるのがいいのです。メンドーク星の「ハル」という植物の花は、特に強い効果を持っています」
 調査隊がその花はどうやったら入手できるのかと尋ねると、
 「この種は、どうしても必要な貴重なサンプルなのですが…」
 珍しい植物なのだそうだが、宇宙船の礼として特別に「ハル」の種を分けてくれた。男が連れている少女が「ハル」の種なのだそうだ。
 「この種を次の満月の夜にここに植えると、よい作用が生じるでしょう」
 植物学者はラフレシアに乗って空の彼方へと旅立っていった。

 市長は直ちに学者の言葉を実行するよう命令を出した。次の満月の夜、人々は花の種を海辺に埋めた。すると種から奇妙な身なりをした女が生えてきた。女は花粉をまき散らしながら踊り始めた。踊りながら女は着ているものを一つ一つ脱ぎ始めた。花粉の力にあおられ人々の石の体に生命力がよみがえり、生きる希望がよみがえった。霊的な生命が再生され、その場で生殖をおこなうものも少なくなかった。


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