海立ち - 2021.02.21 Sun

・「フラット・タイア」(2001) アラン・ホールズワース
この作品はあまり評価する声を聞かない。残念なことだ。
確かにこの作品はよくも悪くもあまりに透明感が強すぎて、多少暗さや影の要素が希薄な面はあると思う。ただ、それを含めてこの人の音楽の持ち味でもあるような気がする。
この作品は曲の構成が工夫されていて、純粋に聴いて楽しめる作品になっていると思う。ホールズワースの他のソロ作品とはちょっと違った感じの作品で、あまりバンド的な作品ではない。ギター・シンセサイザーのシンタックスを中心としており、それ以外の楽器はあまり入っていない。シンフォニックで広がりを感じる不思議な音世界である。アラン・ホールズワースの音楽の持ち味である、特殊な和音の響きによる透明感が非常によく出ていて、聴いていて非常に心地よい。私は一部ラウタバーラのピアノ・ソナタ第1番「キリストと漁夫」を連想した。
この方には「超絶技巧ギタリスト」というレッテルがずっとついてまわっていた(事実そうではあるが)。それはそれでいいとして、私はそれとは別に、まったくエレクトリック・ギター(楽器)を弾かない方にも、純粋に音楽としてこの作品を紹介したいという気持ちが強い。この人の作品は、楽器を弾かない人間が聞いても楽しめるものを持っていると思う。
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