蛙の歌が 聞こえてくるぜ - 2020.11.17 Tue
こっちにおいでよ - 2020.11.12 Thu
トコの間 - 2020.11.03 Tue

猫は女の彼氏をお菓子に変えてしまった。猫が女体電気工場へ立ち寄ったことを、消防士が確信していたからだった。猫は例のものを見ていたはず、少なくとも見ようとしていたはずだ。ハスの花の血の結晶を。猫に知られないように真実を消防士に渡さなくてはならなかった。だがお菓子の箱はどこにあるのか。きっと奇妙な場所なのだ。
女体電気の妖艶な稲妻が走り、太陽から、ひとかけらのネジと歯車が落ちる。「ドーシカオッヂゲ」という音がする。その落ちた方向をたどっていけばそこに行き着くはずだった。なのにこみいった座敷が続いて行きにくい。はて、こんなところに座敷があったろうか。
人々の「ためらい」を主食にするという畳の魚。何かものを言っているようだ。「……インダス河のほとりの血統よき馬も良い。クンジャラという名の大きな象も良い……」何のことだか、よく意味が分からない。人々は魚よけに傘をさしている。魚も人々よけに傘をさされている。すべてが邪魔でなかなか進めない。