日没する国の姫君37 - 2017.04.29 Sat
i o u - 2017.04.24 Mon

アラン・ホールズワース Allan Holdsworth(1946-2017):
イギリス・ヨークシャー出身のギタリスト。イギンボトムでデビュー。ソフト・マシーンやテンペスト、ゴングなどのさまざまなグループを渡り歩いた後、ソロとして活動。
ギターを始めたのは17歳の時で、本当はサックスが欲しかったのだが、経済的な事情でギターを買ってもらうことになったという。ギターはあまり好きではなかったのでとてもがっかりしたそうだ。
独特の感覚による和声と、難解でウネウネとしたフレーズをバリバリと弾くソロで有名。「コードはスケールの一部」という独特の考えを持っているそうで、「…コードやハーモニーの捉え方が学校で習うようなのとは違うんだ。スケールにも他の人とは全く違う名前を付けている。名前っていうよりシンボルを付けているんだけどね」※1と述べている。ギターのフレットポジションを生かした視覚的な音づくりをしているらしい。
クラシック音楽ではバルトーク、ラヴェル、ドビュッシーなどが好きだという。※2
良くも悪くも超絶技巧ギタリストというイメージの強い人だが、私はギター(楽器)を弾かない人にもぜひ耳を傾けていただきたいと思っている。
語録:
「普通はメロディと言ってもよく使われるアベイラル・ノートのスケールを基準にしているわけだけど、私の場合はその並び方が少し違うんだ。これまでのピアノを基準にしたスケールとは、ひとつひとつのスケールの音の並び方が違うんだよ。全部ギターのフレット上を基準にした、視覚的な音の配列がなされているんだ」※3
「情報っていうのはコードやスケールの使い方、ハーモニーとの関係など自分で勉強したことなんだ。たくさん知っていればいろいろなことができるんだよ。数学のようなものだね」※1
「例えばペンタトニックなら12345、12346、12347という風に、全ての組み合わせを書き出した。6音スケールも、7音スケールも、すべて同じことをやったんだ。その中から半音が4つ以上続くものを除外してから研究した。わかったことは、コードというのはスケールの一部だということだ。固定されたボイシングというよりネック上の音の配列として見た」
(教則ビデオより)
※1「PLAYER」93・8
※2「MARQUEE」046
※3「ギター・マガジン」93・3
追悼 - 2017.04.18 Tue

→アラン・ホールズワース像
まさかこの方までが…
このアーチストは私にとって特別な存在でした。10代のころ、ポピュラー・ミュージックに興味を持つきっかけになったのがこの方だったのです。
当時私は事情あってクラシック以外の音楽に関して全く無知でした。しかしそういう状況に嫌気がさし、これからはポピュラー音楽を聴こうと思いました。
しかしいったい何を聴いたらいいかがまったくわからない。それで当時私が考えたのが、でたらめにラジオをつけて、面白そうな音楽が聞こえてきたらそれを録音しようということでした。
そう思ってラジオをつけてみたら、とても不思議な感じの音楽が流れてきました。それはとても透明感のある幻想的な和音で、その音世界に強く刺激されたので、あわててテープを探して録音をしました。
幸い番組の終わりに曲名の解説があったので、どうやらその曲が「アラン・ホールズワース」の「ホーム」という曲であるらしいことがわかりました。クラシック以外の音楽に関してまったく無知だった当時の私にとって「アラン・ホールズワース」という名前は何の意味も持っていませんでしたが、その曲にはとても魅了されました。まだギターを弾き始める前のことでした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
渡部昇一さんが亡くなられたとのこと。ご冥福をお祈りいたします。