最後まで語られることのなかった城 - 2014.06.06 Fri

やがて人々も海も元通りになると、花はその場に倒れ、崩れていった。後には大量のもち米が残った。
後にその米を持って帰って食べた人々に聞いたところ、特にうまくもまずくもなく、ごく普通のもち米だったということだ。
このような伝説にちなんで、毎年このオノノコの町では「ハル」を記念した祭りが行われている。このハルの祭典を、人々は植物学者にちなんでメンドーク祭と呼んでいる。
祭りの喧騒は城の彼方に消えてゆき、東十字星は西十字星にとってかわられる。古代エジプトの魔法は流砂とともにモグラやハチ娘を過去の国へと運んでゆく。リムを回す子供が薄暗い路地をかけてゆく。はるか遠くに城が見える。
城に何が住んでいるのか、誰も知らない。
ENDE
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