剣禅話 - 2020.03.26 Thu
スヴェーデンボルイの肖像 - 2018.04.22 Sun
若きシュタイナーの肖像 - 2018.02.15 Thu

「…非有機物を認識するにあたっては、自然界に何らかの作用を及ぼしている諸力の関連を見通すために、概念が連続的に並置されてゆく。これに対し、有機的なものの把握に必要なのは、ある概念を他の概念から発生させ、概念の変化が生き生きと進行してゆく過程において、自然界で形成されたものの像を生じさせることである。ゲーテは、植物の葉についての一つの理念像を精神にしっかりと保持することによって、以上の彼の思想を実践した。この場合、理念像とは、硬直して生命を欠く概念ではなく、さまざまな形態を取って現われ得る概念を指している。人間は、精神の内部でこうした形態を個別に生じさせることによって、植物の全体像を構成する。自然が現実的なやり方で植物を形成するのと同じ過程が、魂の中では理念的な方法で追創造されるのである」
ルドルフ・シュタイナー(「シュタイナー自伝Ⅰ」ぱる出版)
グルジェフ像 - 2015.10.06 Tue
ルドルフ・シュタイナーの肖像 - 2013.11.11 Mon

典型(タイプ、有機体の一般的な像)が時間的に先ず最初に最も単純な形態を取って現れるからといって、時間的に後続する形態がそれに先行する形態の結果であるとは言えない。全ての形態は典型の結果であって、最初の形態も最後の形態もそれが典型の現象形態であることにおいて変わりはない。真の有機科学の基礎にはこの典型を置かねばならない。そして、単に個々の動物、植物の種類を系統的に導き出そうとしてはならない。典型は有機的世界の全ての発展段階を、言ってみれば赤い糸のように貫いている。この典型をしっかりおさえ、この典型と共に大きく多様なこの領域を探索しなければならない。そうすればこの領域が理解できるようになるが、そうでない場合、この領域は他の経験世界全体と同様に関連のない個々の部分に分解してしまう。時間的に後に来るもの、合成されたものがそれに先行する単純な形態から導き出されると考え、この先行するものが根元的であると考えたとしても、それは誤解にすぎない。なぜなら、それはある特殊形態を別の特殊形態から導いたにすぎないのだから。
…(中略)。それは、後に起きることを前に起こったことから説明するのは本当の説明でないこと、そして、時間的に一番目のものが原理的に第一のものではないことである。
ルドルフ・シュタイナー
(参考「ゲーテ的世界観の認識論要綱」筑摩書房)